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アジア太平洋障害者の10年

国際障害者年(1981年)のテーマである「完全参加と平等」を実現するために、国際連合(国連)は1983年から1992年までの10年間を「国連・障害者の10年」と定め、各国において行動計画を策定し、障害のある人の福祉を増進するように提唱しました。
わが国でも、政府の障害者対策推進本部が1982年に「障害者対策に関する長期計画」をまとめ、障害者施策を総合的かつ効果的に推進してきました。その結果、この間に、わが国の障害のある人の福祉は大きく進展しました。
しかし、所得保障、雇用、介助者の不足、住宅や移動(車いすで利用できない駅や交通機関)、障害のある人に対する理解など、まだ解決しなければならない課題がいくつも残っています。そこで、政府は1993年3月、およそ10年間にわたる施策の基本的方向と具体的方策を明らかにした「障害者対策に関する新長期計画」を策定し、引き続き、障害者施策を推進していくことにしました。
ところで、世界中には障害のある人々が数多くいて、その数も増えています。障害のある人が増加する原因は、戦争、貧困、飢餓(きが)、病気などさまざまですが、これらの障害のある人の中で必要な援助を受けられない人たちは3億5千万人に達するといわれています。
こうした状況はアジアの国々でも同様です。
そこで1992年4月、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の総会において、1993年から2002年までの10年間を「アジア太平洋障害者の10年」と定め、アジア太平洋諸国間の協力、交流関係を深め、障害者施策をさらに進めていくことにしました。
今後は、国内の残された課題を解決していくとともに、アジアの人々が必要とする援助に手を差しのべる国際協力が求められています。

 

 

 

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